機関誌エデュフロント バックナンバー

2006年5月 第4回教育シンポジウムin東京レポート

表紙

サブタイトル

確かな学力を育む「教師力」

特集内容

 平成17年10月26日の中央教育審議会答申により、「義務教育の構造改革」が 進められている。キーワードは、「学校力」「教師力」「人間力」。  義務教育の使命として、今改めて「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」 のバランスの取れた育成が求められ、「教師力」が問われている。若手教員の 指導力向上を目指し、東京都教育委員会はこの春「東京教師道場」を開設、都 内杉並区でも区立小学校の教師を独自に採用するための教師養成塾「杉並師範 館」をスタートさせるなどの取り組みも進んでいる。  「確かな学力とは何か」を問い続けてきた本シンポジウムでは、学校教育に おいてこれを具現化する「本当の学力」を育む「教師力」について考えていく。

目次等

第1部 実践報告 「確かな学力を育む教師力 ―実態調査に基づく授業改善」 勝進亮次 東京都品川区立日野学園(小中一貫校)副校長  東京都世田谷区立松沢小学校主幹(実践時) 「国語科におけるPISA調査の『読解力』の育成を考えた学習指導」 岩間正則 横浜国立大学教育人間科学部附属横浜中学校教諭
第2部 講演 「国際調査から見出された算数・数学の指導の新しい方向」 長崎榮三 国立教育政策研究所教育課程研究センター総合研究官 「確かな学力を育む教育評価のあり方」 田中耕治 京都大学大学院教育学研究科教授 第3部 パネルディスカッション 特別提案「生涯を見通した学力の育成 ―『実力』をつける教師力―」 谷川彰英 筑波大学理事 総括「学力向上と教師の立場」 寺﨑昌男 財団法人中央教育研究所理事長

取材対象概要

日時:平成18年2月26日(土) 会場:文京学院大学女子高等学校・ジャシーホール 主催:財団法人 中央教育研究所 後援:東京都教育委員会,茨城県教育委員会,神奈川県教育委員会,    群馬県教育委員会,埼玉県教育委員会,千葉県教育委員会,    栃木県教育委員会,長野県教育委員会,山梨県教育委員会    東京教育研究所/(株)学習調査エデュフロント

内容紹介

(本文より)  いま問われているのは、一人一人の違いというものを教育のプロセスの中に どう位置づけるかです。本当の学力というのは、過去100年に作り上げられて きた学力と、これから伸ばしていきたい学力のどちらかではなく、この二つの タイプの学力をダイナミックに行き来させる力だと思います。個々の子どもた ちの想像力や経験などを踏まえて、与えられた知識を問い直し批判していく力、 そのような力を私たちは評価してこなかったように思います。言い換えると、 一人一人が違うという実に単純な、しかし明確な事実に立って、既成の知識や 概念をどう理解させアプローチの仕方を指導していくのか、ここに教師の課題 があると思います。
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