機関誌エデュフロント バックナンバー

2022年6月 Vol.44 第26回教育シンポジウム in 東京2022

2021年6月表紙

サブタイトル

今こそ「深い学び」を問い直す ~その趣旨と実践例から~

特集内容

 中央教育審議会が令和3年1月に取りまとめた「『令和の日本型学校教育』の構築 を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学び の実現~(答申)」には、「予測困難な時代」において、児童生徒一人一人が様々な 社会的変化を乗り越え、持続可能な社会の創り手となることができるよう、「個別最 適な学び」と「協働的な学び」を一体的に充実し、「主体的・対話的で深い学び」の 実現に向けた授業改善につなげ、よりよい学びを生み出していくことが大切であると 示された。  「教育シンポジウム in 東京2022」では、「主体的・対話的で深い学び」と「個別 最適な学び」、「協働的な学び」の関係や、「深い学び」の趣旨、「深い学び」を実 現するためのカリキュラム例や授業デザイン等について、研究、行政、実践のそれぞ れの立場から、最新情報と具体例を交え、議論がなされた。

目次等

【基調講演①】 「『深い学び』の背景と学校教育での展開」  市川 伸一 東京大学名誉教授        帝京大学中学校・高等学校 校長補佐 【基調講演②】 「新教育課程の目指す資質・能力と『深い学び』」  石田 有記 文部科学省 初等中等教育局 教育課程課教育課程企画室長 【基調講演③】 「習得~探究における『深い学び』に向けたカリキュラム編成」  玉野 麻衣 大田区立調布大塚小学校 校長 【トークセッション】 「今こそ『深い学び』を問い直す ~その趣旨と実践例から~」  コーディネーター:市川 伸一  ゲストコメンテーター:松下 佳代 京都大学高等教育研究開発推進センター 教授  パネラー:石田 有記 玉野 麻衣

取材概要等

開催方法:オンデマンドによる動画配信 配信期間:令和4年3月14日(月)12:00~31日(木)20:00 主  催:公益財団法人 中央教育研究所 後  援:東京都教育委員会,茨城県教育委員会,      神奈川県教育委員会,群馬県教育委員会,      埼玉県教育委員会,千葉県教育委員会,      栃木県教育委員会,長野県教育委員会,      新潟県教育委員会,山梨県教育委員会,      ㈱時事通信社,東京教育研究所,      ㈱学習調査エデュフロント

内容紹介

(本文より)  「深い学び」という考え方や言葉自体は、今回の学習指導要領改訂でいきなり出て きたものではありません。この数十年にわたる学術的、実践的な積み上げが背景にあ り、出てきたものです。「深い学び」は、獲得される知識の在り方、構造化されて活 用できる知識を獲得してほしいということを大切にしているのです。教えられたこと を超えた情報の編集や、問題発見、創造を行ってほしい、そして、それぞれの児童生 徒がもっている学習観、学習方略、学習動機が拡がっていくこと、学習者自身にとっ て、意義や価値、やりがいが感じられる学習を大切にしたいと考えています。 (市川)  さらに、平成28年答申では、この深い学びの視点に関し、各教科等の学びの深まり の鍵となるものとして、「見方・考え方」を示しています。見方・考え方とは、各教 科等の特質に応じた物事を捉える視点や考え方です。(中略)その教科等ならではの 見方・考え方を働かせて学ぶことで、それぞれの教科等で目指す資質・能力の三つの 柱をバランスよく育成し、子供たちがそれらを統合的に用いることができるようにな ると捉えることができるのではないかと考えています。 (石田)  児童の深い学びのためには、深く学ぶとはどういうことかについて教員がよく理解 していることと、深い教材研究が必要です。子どもと一緒にいる時間は大切ですが、 一緒にいる時間の質を高めるために、研修の時間と機会を創出することと、学校組織 全体で取り組めるようになるための仕組みづくりが必要だと考えています。 (玉野)  「学びに向かう力・人間性等」をどのように捉えるかは、もう少し練る必要がある のではないかと感じています。玉野先生がおっしゃった自己調整学習のようなものが、 学びに向かう力のわかりやすい例だと思います。では、学びに向かう力と人間性はど ういうふうにつながってくるのか。例えば、理解を深めていこうと思うと、ある程度 の粘り強さが求められます。ですので、深い学びに向かう学習の中で、粘り強さのよ うな人間性に関わるものも付随して身に付いていくのではないでしょうか。 (松下)
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