機関誌エデュフロント バックナンバー

2020年6月 Vol.42 特別支援教育特集号ⅩⅧ

第24回教育シンポジウム in 東京<特別支援教育>レポート

2020年6月表紙

サブタイトル

学習指導の工夫とその評価 ―子どもの特性を知って指導・支援に生かす―

特集内容

 すべての子どもに適切な指導及び必要な支援を行い、評価するために、どのよう な視点が大切なのか。指導・支援の工夫と評価の工夫をつなげ、子どもが自立し社 会参加するために必要な力を養うために、どのような具体的方策があるのか。  「教育シンポジウム in 東京2020」特別支援教育サテライトイベントでは、指導 ・支援・評価の一体化や、合理的配慮の観点からの評価の工夫、早期に気付き、適 切な支援を早期に開始することの重要性等について、行政、実践、医療のそれぞれ の立場から、最新の情報と実践例が共有された。

目次等

【行政レクチャー】 「通常の学級に在籍する障害のある子供の指導・支援、評価を支える仕組み  ―新学習指導要領、障害者差別解消法を中心に―」  田中 裕一 兵庫県教育委員会事務局 特別支援教育課 副課長 兼 教育推進班長 (開催時:文部科学省初等中等教育局 特別支援教育課 特別支援教育調査官) 【実践報告】 「できた! 楽しい! と思える教材を使った学習支援を考える  ―達成感・自己肯定感を育みながら、授業参加の意欲を支える―」  伊藤 陽子 仙台市立八乙女中学校 教諭 (開催時:仙台市立高砂中学校) 【講演】 「すべての年代における発達障害への気付きの可能性  ―学習特性を知る根拠あるアセスメントを通して  指導・支援・配慮につなげよう―」  小野 次朗 明星大学発達支援研究センター 客員教授        大阪大学大学院医学系研究科 招聘教授 【トークセッション】 「つまずきに気付き、支え、支援をつなぐ」  小野 次朗 伊藤 陽子 田中 裕一

取材概要等

開催日:令和2年2月15日(土) 会 場:東書ホール 主 催:公益財団法人 中央教育研究所 後 援:東京都教育委員会,茨城県教育委員会,     神奈川県教育委員会,群馬県教育委員会,     埼玉県教育委員会,千葉県教育委員会,     栃木県教育委員会,長野県教育委員会,     新潟県教育委員会,山梨県教育委員会,     ㈱時事通信社,東京教育研究所,     ㈱学習調査エデュフロント

内容紹介

(本文より)  学習評価の現状における課題を踏まえ、改善の基本方針として次の三つが挙げら れます。①学習評価の改善を児童生徒の学習改善につながるものにしていくことで す。(中略)②学習評価を教員の指導改善につながるものにしていくことです。子 供に評価を返すだけではなく、自分自身の指導にフィードバックして、指導の工夫 を変えるか、継続するかを考えていただきたいと思います。③これまで慣行として 行われてきたことでも、必要性・妥当性が認められないものは見直していくことで す。以上の三つの基本的な考え方に立って、学習評価を真に意味のあるものとする ことが重要です。 (田中)  Bさんは、在籍校では「何もできない子ども」と言われていました。成績はオー ル1です。ある日、0点のテストを持ってきました。そこで、音声シールに問題の 内容を録音し、音声を付けた状態でもう一度Bさんにテストを受けてもらうと、6 割正解していました。これでもBさんは本当に何もできない子どもなのでしょうか。 (伊藤)    障害のある子どもたちへの指導では、個別指導だけでなく、UDL(Universal Desi gn for Learning:学びのユニバーサルデザイン)との使い分けが必要です。すべて の子どもにとってわかりやすい授業を提供することは、障害があると診断された子 どもの周りにいる周辺群と呼ばれる子どもたちにとっても有効であると考えられて います。しかし、特にLDの子どもは、UDLに加え通級指導教室などにおける専門的指 導も必要になります。UDLと個別指導の機会を見極めて指導することがとても重要で す。 (小野)
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