機関誌エデュフロント バックナンバー

2019年7月 Vol.41 特別支援教育特集号ⅩⅦ

第23回教育シンポジウム in 東京<特別支援教育>レポート

2019年7月表紙

サブタイトル

特別支援教育の視点を生かした通常学級の授業づくり・学級づくり ―学習指導要領の記述の充実と取組の実際―

特集内容

 本号は、「新時代を拓く授業改革」をメインテーマとした「教育シンポジウム in 東京 2019 総合プログラム」のサテライトイベントとして開催された特別支援教育 プログラムを取材した。  すべての子どもの学びを保障するため、個々の困難さに対する指導の工夫の意図、 個に応じた手立てが教科別に示されたことなど、新学習指導要領における特別支援 教育に関する記述のポイントを整理するとともに、実践と理論の両面から、特別支 援教育の視点を生かした通常の学級での「授業改革」と「学級経営」に向けた提案 がなされた。

目次等

【行政レクチャー】 「新学習指導要領における特別支援教育の展望  ―すべての子供の学びを保障する合理的配慮と授業改善―」  田中 裕一 文部科学省初等中等教育局 特別支援教育課 特別支援教育調査官 【実践報告】 「新学習指導要領 特別支援教育の視点で授業づくり  ―学びに向かえない子、教科のつまずきへの支援を  授業改善でどのように具現化するか―」  田中 博司 東京都公立小学校 主幹教諭 【講演】 「発達障害の理解と学習指導・学級経営  ―学びの場と教科等の連続性の観点―」  奥住 秀之 東京学芸大学総合教育科学系 教授 【トークセッション】  「特別支援教育の視点を生かした通常学級の授業づくり・学級づくり」  奥住 秀之 田中 博司 田中 裕一

取材概要等

開催日:平成31年2月23日(土) 会 場:東書ホール 主 催:公益財団法人 中央教育研究所 後 援:東京都教育委員会,茨城県教育委員会,     神奈川県教育委員会,群馬県教育委員会,     埼玉県教育委員会,千葉県教育委員会,     栃木県教育委員会,長野県教育委員会,     新潟県教育委員会,山梨県教育委員会,     東京都北区教育委員会     ㈱時事通信社,東京教育研究所,     ㈱学習調査エデュフロント

内容紹介

(本文より)  今回の改訂に当たって特に重視している理念は、「学習指導要領改訂の考え方」 としてまとめられています。 (中略)  まずポイントとなるのは、「どのように学ぶか」というところの、「主体的・対 話的で深い学びの視点からの学習過程の改善」です。子供はそれぞれ学び方が違い ます。授業を行い、わかっていない子供がいるなと思ったら、授業のやり方を変え ましょう。一人一人の学び方に応じた授業づくり、授業改善が重要です。  さらに、今回の改訂でより強調されたのが、「何ができるようになるか」という ことです。(中略)テストでどう解くかだけではなく、「何ができるようになるか」 もきちんと見取ることが必要です。 (田中 裕一)  新学習指導要領の解説に、各教科等における「困難さ」、「指導上の工夫の意 図」、「個に応じた様々な手立て」が示されました。それらの配慮や手立てがあっ ても学びに向かえない子どももいます。そのような子どもたちには、授業参加のた めの学びの動機付けへの配慮が必要だろうと思います。また、授業改善という視点 では、授業の本質、教科のねらいに迫るための手立てを意識しています。そこに加 えて、これからの授業づくりに向けての授業改革があると思っています。 (田中 博司)  新学習指導要領では、「学習活動を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や 指導方法の工夫を計画的、組織的に行うこと」と明記されました。これは、すべて の学級に発達障害を含む障害のある児童等が在籍している可能性があることを前提 にしているためです。障害種別の特性は、多様ではあるものの、障害種別によって 共通する指導のポイントがあるため、これまでのような障害種別の特性に応じた教 育ももちろん大事です。しかし、それだけにとらわれず、困難さや教育的ニーズを きちんと見極めて指導・支援をしていくという、両方の視点を往還して考えること が大切です。 (奥住)
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