機関誌エデュフロント バックナンバー

2019年6月 Vol.40 第23回教育シンポジウム in 東京<分科会編>

2019年6月<分科会編>表紙

サブタイトル

新時代を拓く授業改革 ―「見方・考え方」をどう生かすか? ―

特集内容

 いよいよ、新学習指導要領の全面実施(小学校:令和2年度、中学校:令和3年度) を迎えることになる。新たな学びへと進化を目指し、従来の授業をどうつくり変え ていくか。第23回教育シンポジウム in 東京 2019 総合プログラムは、「新時代を 拓く授業改革 ―『見方・考え方』をどう生かすか?―」をテーマに、新学習指導要 領の考え方を今一度整理するとともに、各教科等の「見方・考え方」に着目して、 2030年を見据えた教育の在り方や、学びの質を高めるための授業改革について考え る全体会と、「国語」、「算数・数学」、「外国語教育」、「カリキュラム・マネ ジメント」の四つの分科会で構成した。  本号は「分科会編」として、各教科における「見方・考え方」の捉え方や授業づ くりの具体的な視点、子どもの目線を大切にした学びのマネジメントについてなど、 各分科会での研究者、実践者による示唆に富んだ講演の模様をレポートする。

目次等

【分科会① 国語】 「子どもの読みと<見方・考え方>をつないで  豊かな資質・能力を育む国語科授業づくり」  安達 真理子 立教小学校 教諭 【分科会② 算数・数学】 「数学的な資質・能力を育てる算数指導の在り方を探る  ―主体的・対話的で深い学びの実現を通して―」  長谷 豊 目黒区立八雲小学校 校長 【分科会③ 外国語教育】 「子どもが主体的に取り組む英語の授業づくり  ―小中連携で英語好きの子どもを育てる―」  阿野 幸一 文教大学国際学部国際理解学科 教授 【分科会④ カリキュラム・マネジメント】 「カリキュラムマネジメントによる授業の質保証」  田村 知子 大阪教育大学連合教職大学院 教授

取材概要等

開催日:平成31年2月9日(土) 会 場:東京都北区立王子桜中学校・王子小学校 主 催:公益財団法人 中央教育研究所 後 援:東京都教育委員会,茨城県教育委員会,     神奈川県教育委員会,群馬県教育委員会,     埼玉県教育委員会,千葉県教育委員会,     栃木県教育委員会,長野県教育委員会,     新潟県教育委員会,山梨県教育委員会,     東京都北区教育委員会     ㈱時事通信社,東京教育研究所,     ㈱学習調査エデュフロント

内容紹介

(本文より)  国語科の授業を通して豊かな資質・能力を育むためには、子どもの読みと<見方・ 考え方>をつなぐことが大切です。子どもは面白さや不可思議さにしっかり気付い ています。この気付きを生かして<見方・考え方>とつないでいくために一番重要 となるのは、教師が教材の特性をつかみ、単元構成に生かすことです。私たち自身 が教材のよさを鑑賞し、子どもの思考過程に即した柔軟な対応ができるように備え ることが必要だと思います。 (安達)  具体的な授業改善に向けて「主体的な学び」を考えたとき、まず重要になるのは、 子どもに問いを発生させることです。そのために、子どもが「考えてみたいな!」 と思うようにすることが大きな課題です。まずは子どもの問題との関わり方や、問 題提示の仕方を工夫することが大切です。子どもの心に「?」が生じるような、意 外な事実と出合わせることがポイントです。 (長谷)  小学校の『We Can!』には、中学校2年生くらいまでの言語材料や単語がたくさ ん入っています。そうは言っても、小学校ですべて正確なものが身に付いているわ けではありません。中学校ではその次の段階から学習をスタートするのではなく、 小学校で学習してきたものと、中学校で学習していく部分ののりしろを大きくもっ て連携していくことが大切です。同じ言語材料をつないでいく、のりしろを大きく もつことで、子どもたちが小学校で身に付けてきたものがはがれにくくなるのでは ないかと思います。 (阿野)  カリキュラムには三つのレベルがあります。一つ目は、全体計画や年間指導計画 の表など、学校でつくった「計画されたカリキュラム」です。二つ目は、実際に先 生方が行った授業そのものである「実施されたカリキュラム」です。三つ目は、子 どもに「学ばれたカリキュラム」です。(中略)この「子どもの学び」に注目する ことが大切です。子どもが実際に何を学んだのか、そして私たちは何を学んでほし かったのか、どう学んでほしかったのかをよく見取った上で、授業や教育計画をど う変えるのか、と考えていくのがカリキュラムマネジメントの基本的な考え方です。 (田村)
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