機関誌エデュフロント バックナンバー

2018年7月 特別支援教育特集号ⅩⅥ

第22回教育シンポジウム in 東京<特別支援教育>レポート

2018年7月表紙

サブタイトル

通常学級における学習上の「困難さ」と合理的配慮 ―新学習指導要領の考え方と支援の手立て―

特集内容

 本号は、「新学習指導要領に向けた授業改善」をメインテーマとした「教育シン ポジウム in 東京 2018 総合プログラム」のサテライトイベントとして開催された 特別支援教育プログラムに取材した。  新学習指導要領では、障害の種別ではなく、個々の児童生徒の障害の状態等に応 じた指導内容や指導方法の工夫が教科別に記載されるなど、特別支援教育に関する 記述が充実した。一方、障害者の権利に関する条約や、いわゆる障害者差別解消法 などを背景に「合理的配慮」の提供が義務化され、学校での正しい理解と対応が求 められている。  子どもと若者のミカタ、教育を中心に幅広く活動するジャーナリストと文部科学 省の調査官、優れた教育実践者、それぞれの立場から最新情報と具体例を交え、特 別支援教育の今と未来を語る。

目次等

【行政レクチャー】 「新学習指導要領における特別支援教育の展望  ~主体的・対話的で深い学びの観点からすべての子供の学びを保障する~」   田中 裕一 文部科学省初等中等教育局 特別支援教育課 特別支援教育調査官 【実践報告】 「わかる・できる・楽しい授業づくり  ~通常学級で明日から生かせる授業のユニバーサルデザインの取組~」   齋藤 忍 十文字学園女子大学人間生活学部児童教育学科 兼       次世代教育推進機構特別支援教育センター 准教授 【講演】 「怠けてなんかない!  読む・書く・記憶するのが困難な子ども達への理解と合理的配慮」  品川 裕香 教育ジャーナリスト・編集者 【トークセッション】  「通常学級における学習上の『困難さ』と合理的配慮」  品川 裕香 齋藤 忍 田中 裕一 

取材概要等

日時:平成30年2月18日(日) 会場:東書ホール 主催:公益財団法人 中央教育研究所 後援:東京都教育委員会,茨城県教育委員会,    神奈川県教育委員会,群馬県教育委員会,    埼玉県教育委員会,千葉県教育委員会,    栃木県教育委員会,長野県教育委員会,    新潟県教育委員会,山梨県教育委員会,    東京都北区教育委員会    ㈱時事通信社,東京教育研究所,    ㈱学習調査エデュフロント

内容紹介

(本文より)  今回の改訂で、個別の教育支援計画及び個別の指導計画については、特別支援学 級に在籍する児童生徒や通級による指導を受ける児童生徒について、全員にこれを 作成することになりました。また、通常の学級においても、障害のある児童生徒に ついては上記の計画を作成することが努力義務とされました。さらに、指導内容や 指導方法の工夫については、障害の種類ではなく、子供の困っている「状態」に着 目するということが大変重要です。 (田中)  個々の子ども達のつまずきに対する支援を考えるためには、個別の支援の前に、 まずは子ども達が過ごしやすく、落ち着いた、そして安心できる環境づくりが必要 だという考えの下、学校全体で「学習環境を整える」ということに取り組みました。 (中略)  「個の特性に合わせた支援」を可能にするために、大きく三つのこと(※)に取 り組みました。それらを通して子どもの実態、教師の意図、手立てが明確になって いきますので、「支援を必要とする児童への配慮」として指導案に項目を起こして 明記しました。  (※)本人が抱える障害特性を理解する、一人一人が特に苦手なことを理解する、     強い力を生かす (齋藤)  合理的配慮を理解するために必要なことの一つは、「インクルーシブ教育システ ム」です。インクルーシブ教育システムとは、すべての子どもを一様に通常の学級 に入れて一斉指導することではありません。(中略)インクルーシブ教育システム は、「同じ場で共に学ぶことを追求するとともに、個別の教育的ニーズのある幼児 児童生徒に対して、自立と社会参加を見据えて、その時点で教育的ニーズに最も的 確に応える指導を提供できる、多様で柔軟な仕組みを整備すること」です。 (中略)  ただ「一緒に」学べばよいというわけではなく、きちんと学習活動に参加させ、 「力を付けさせる」ことが大事なのです。 (品川)
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